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幾何的な折りアルゴリズム
分野で随一の原著『Geometric Folding Algorithms -Linkages,Origami,Polyhedra-』をカラーで忠実に再現!
数学的な関心の高まりだけではなく、ロボティクスやバイオ、物質材料分野などの応用面からも注目されている「折り」と「展開」に関する幾何学的考察を、数学的視点とともにアルゴリズムやコンピュータサイエンスの側面からも総括的に扱い詳説しています。全ページカラー。
訳者である上原先生による、本書のWebページが公開されていますのでご参照ください。【日本語版によせて】(本文より抜粋)
日本における折り紙の長い伝統を考えると,本書が日本語に翻訳されて,とてもうれしく思う.
特に私たちのこの本を上原隆平氏が翻訳しようと思い立ってくれたことは,とても幸運であった.
彼は才能ある研究者であり,幾何的な折りたたみに関する多くの新しい結果を出していて,それらはおそらく将来の第2 版に含まれることになるだろう.彼は翻訳を通じて本書を非常に注意深く読み,多くの細かな間違いと,いくつかの重要な間違いを見つけてくれた.幸いなことに,これらはすべて簡単に修正することができた.つまり,この翻訳書は私たちの原著の訂正版でもあるわけだ.
研究が活発に進んでいる分野では避けられないことであるが,本書であげた未解決問題のいくつかは時間がたつにつれて解決されつつある.ちょうどよい機会なので,未解決問題23.2 としてあげた「コーシーの剛性定理に関する実用的なアルゴリズム」がボベンコとイズメスティフによる画期的な論文[Bobenko and Izmestiev 2008] によって解決されたことをお知らせすることにしよう([O’Rourke 2007] も参照のこと).彼らは,高次の微分方程式を数値的に解くことによって,凸多面体がその面から再構成できることを示した.彼らの元のアルゴリズムでは計算時間の上界が与えられていなかったが,擬多項式時間で動作するように実装できることが,ごく最近示された[Kane et al. 2008].また23 章の別の未解決問題23.1 の「D 型とピタ型」も,最近の別の論文[Prince and Demaine 2009] で解かれた.
私たちは「解決済の未解決問題」のリストをwww.gfalop.org で更新している.読者のみなさんからの解決のお知らせを私たちは楽しみにしている.
2009 年6 月3 日
著者:エリック・D. ドメイン/ジョセフ・オルーク -
ゲームとパズルの計算量
ゲームやパズルの面白さと難しさの背後に隠された,「計算量の理論」を示した初の書(フルカラー). -
折り紙のすうり
手にとれる数学、それが折り紙!!
「折り紙」を数学的に解き明かそうという、全く新しい分野の入門書である。予備知識は高校数学までで十分である。1次元―ロボットアーム―から始め、2次元―折り紙―、3次元―多面体―まで進む。
想定読者を数学初学者としているため、数学用語の丁寧な説明や演習問題が随所にある。著者の、折り紙の楽しさや数学の楽しさを読者に味わってもらおうという気持ちが、大変分かりやすい邦訳で理解でき、スラスラ読み進めることができる。まさに、実体のある数学―折り紙―をフルカラーで楽しく学ぶことのできる良書である。 -
はじめてのアルゴリズム
アルゴリズムを楽しく学ぶ
本書は、アルゴリズムをただ単に学ぶというのではなく、「なぜアルゴリズムを学ぶ必要があるのか」を説き起こす。前提知識を必要とせず独習でもアルゴリズムを学べるよう工夫してある。ていねいな語り口は、一層の理解を助けるだろう。
第1章では、準備として、チューリングマシンモデルから説明し、学ぶために必要な道具の解説を行う。2章以降では、サーチ、ソートといった定番の問題を丁寧に解説し、随所に演習問題を配置し、その解答は、式変形を端折ることなく記述し完全な解答を掲載している。また、コラムを随所に配してアルゴリズムの楽しさを体感出来るようになっている。初学者はもちろん、アルゴリズムをしっかり学び直そうとしている読者にも最良の書である。 -
計算折り紙入門
「折り紙」のアルゴリズム!
「計算折り紙」は近年大変注目されているコンピュータサイエンスの分野である。研究対象として、「折る」ことに対するアルゴリズム、計算量などを中心に置いている。その応用分野は大変広く、建築・宇宙工学・医療・分子生物学など多岐にわたる。
本書は、この「計算折り紙」の第一人者である著者が、折り紙パズルや演習問題を交えながら計算折り紙の最前線を解説していく。
「計算折り紙」に関心のある読者必読の書である。